マイホームというと「将来に渡って誰かに住まいを奪われることなく、安心して生活できる家」をイメージされるかもしれませんが、私の定義するマイホームとは、上記と合わせて「将来、何かあった時に売却できるような資産を持つ“貯蓄”的な要素を込むもの」としています。
その定義のもとで「資産が目減りしにくいマイホームは持つべき」と考えています。ですので、その定義のもとでは、例えば和歌山県の山奥での一戸建てマイホームは持たない方が良いという考えになるので、『誰しもが、とにかくマイホームを持った方が良い』という意見にはなりません。(田舎は、組んだローンが将来に負の遺産になる可能性が高い、と考えます)
逆に資産(お金)は要らないと考えられる場合は、マイホームは持たなくても良いと考えます。例えば単身男性なども、ローンなど組まずに自由気ままに生活すれば良いと考えるので、マイホームは持たなくても良いと考えます。
そういった点も踏まえて、マイホームを買うなら、「資産(貯蓄)」的要素を踏まえた条件設定が大変重要です。
この条件に当てはまる家は、あなたの不安を現実にします…。
2つの項目「エリア」と「物件の種類」を基に、「選んではいけない家の条件」を確認しましょう。
最優先条件:<エリア>
- 大エリアでの検討(都道府県・市・区)
東京や大阪などの都心でなく、主要ターミナル駅(大阪なら「梅田」「なんば」「天王寺」)から遠い場所 - 中エリアでの検討(市・区)
ショッピングモール、県庁、リゾート施設、公共施設(大公園)がない
駅から遠い - 小エリアでの検討(町、丁目)
買い物できるスーパー・小学校が付近にない
- 大エリアでの検討(都道府県・市・区)
現状で再開発(発展)の計画がない(例:新駅設置 など) - 中エリアでの検討(市・区)
ショッピングモールを軸とする場合、10年程度で撤退する可能性があるので他の要素も要確認 - 小エリアでの検討(町、丁目)
小学校を軸とする場合、廃校の可能性があるので他の要素も要確認
重要条件:<物件の種類>
- マンションと比べて「管理費」「修繕積立金」「駐車場代」などが必要ない反面、自身での定期修繕は必須なので、この費用がマンションより高くつく場合もある。
- もしマンションで「管理費」の滞納が発生した場合でも「先取特権」というものがあり、物件売却時に優先して回収できる。
- 一番注意する必要があるのが「木造の戸建て」物件で、よく価格帯が似ている「コンクリートのマンション」と比較されるが、構造が全く違うために耐久性部分は戸建てが不利となる。
- 戸建ての構造は大工の質の良し悪しが大きく変わり、チェックが難しい。
- マンションは鉄筋コンクリートで作られており一般的には長持ちする。
- 現在の建築工法では建築費が異様に高騰していて、大阪で駅チカならその販売価格は4000万円〜5000万円が通常になっているが、一般の会社員ではローン支払いが高額になりがち
- マンションは「新しいほど質が良い」わけではない。むしろ、コスト削減のために事業主が販売価格を抑えようと「建築費を抑えて」販売して来ているケースもある。例としては、建築費を抑えるために安価な材料を使用。例えば「軽量気泡コンクリート(ALC)」の多様化や、乾式戸境壁などが採用されていることがある、ということ。
※ALC:近年、主に各部屋ごとの玄関ドア周りやバルコニーと部屋の壁に使われているが、ALCと本体の接する部分がボルトにて行っているケースが多く、施工の隙間があり、廊下の足音などが部屋内に入ってくる。20年前は現場コンクリート施工(いわゆる鉄筋コンクリート)が主であった。
※乾式戸境壁:隣との住戸の壁で、ここ10年ぐらいで多く採用され始めたもの。防音性は確保されているというが、実際は施工の隙間などがあり、音が聞こえやすい。10年前は現場コンクリート施工であった。
(参考:Wikipedia 乾式壁)
2002年頃から2005年頃(耐震偽造問題まで)の物は比較的良い構造をしている。(アウトポールや逆張り工法、2重床、耐震等級2など質の工夫を凝らして販売勝負をしていた)
一方、2005年の耐震偽造によって質のチェックが厳しくなり、それによる販売不振により事業主がコストを抑え始めた。(ちなみに施工開始2006年・竣工2008年頃から、長谷工物件の実績が上がり始める)
こんな物件は選んではいけません
①駅から離れたマンション(10分以上)
- 人口減の時代で、将来マンション周辺には何もなくなり生活が不便になる可能性が大。これによって資産価値が落ちる可能性が高い為。
- 人口減による政府の方針として、コンパクトシティ化(各エリアの拠点を中心として、それらを結ぶ構想)の流れになっている為。
②営業マンから勧められる「価格重視で家を考えるべき論」
駅近は価格が高いとか、プラス徒歩10分で1000万円違うなどの話を出す、あるいはITによる自動運転でタクシーが安くなる、とかネットで移動が少なく済む、などの話を出す。しかし①の条件の通り、資産価値が下がる可能性が高い為、目先の費用だけで考えるべきではない。
③小規模マンション
もし管理組合に無駄な費用があった場合、個々の修繕費負担が大になる可能性が高い。大規模マンションの場合、もし仮にある程度無駄な費用が発生していたとしても、戸数全体で割るので、各戸の負担がまだ少なく済む為。
④機械式駐車場があるマンション
利用料とのバランスチェックが必要で、アンバランスになっている場合がある為。
⑤修繕費が足りていない管理状態のマンション
管理組合の状態も重要視が必要で、私の知る限りでも修繕費用が足りていないマンションも多く存在する為。また、新築時の管理会社委託費用は高く設定している傾向があるが、これを修正しているかどうかのチェックが必要。もし管理会社が変更になっている場合は比較的、管理組合のコストに対する意識が高いと考えられ、好ましい。
上記はあくまでも目安です。中古になってから各マンションにて対策改善しているマンションも中にはあります。